車のフロントガラスが割れる瞬間を見たことはありますでしょうか。
本当に一瞬の出来事で、高速道路での飛び石なんかだと思ってもいないような衝撃があります。
フロントガラスが進行方向にあるので圧倒的に割れたりする可能性が高いのですが、そういった場合にどのように対処をすれば良いか確認していきましょう。
目次
1.車のフロントガラスの強度はどれくらい?
そもそも車のフロントガラスってどのくらいの強度があるのかご存知でしょうか。
それを理解するのに、ガラスの基本構造から見ていきましょう。
まず、車のガラスは大きく分けて2種類あります。
それは車種によって違うというより、フロントガラスとそれ以外のガラスというわけ方です。
ドアガラスやリアガラスは一枚もののガラスで、強化ガラスを使われています。
強化ガラスと聞くと、殴ったり蹴ったりしてもビクともしないように聞こえますが、ある程度の強さはあります。
一般の方が何もつけずに殴っても割れないことの方が多いのではないかと思います。
そのくらい強いです。
しかし、ある一点に力が加わるように衝撃を与えてあげると簡単に割れます。
そのため、万が一車内に閉じ込められた際の緊急脱出用として最近は緊急脱出用ハンマーが売られています。
ハンマーの先が尖っていて、そこに力が加わるように叩くと女性でも簡単に窓を割ることができます。
ではもう一方のフロントガラスはどうなっているのかというと強化ガラスにはなっていません。
むしろ強度自体はかなり柔らかい作りになっています。
ただ、2枚の同じサイズのガラスを合わせた、合わせガラスになっています。
2枚のガラスを合わせることによって万が一事故にあった場合に車内にいる人が外に飛び出さないように割れにくくなっているのです。
大事故のニュースなどでフロントガラスがグニャグニャになっていることはあっても、綺麗に割れてなくなってしまっていることがないのはそのためです。
2.車のフロントガラスの小さい傷やヒビの放置はやばい?
車のフロントガラスは合わせガラスで、簡単に割れにくいとお話ししました。
でもあわせガラスだからこそのデメリットもあります。
それは小さな傷です。
大きなものが飛んできてフロントガラスが割れずともメキメキにビビ割れてしまったのであれば諦めがつきます。
しかし、フロントガラスは小さな傷にも非常に敏感なのです。
走行中にカツっと音がして、駐車してからよくよく見てみるとかなり探さないとわからないような傷が付いている、なんてことがあります。
このくらい大丈夫だろうと何も気にせずヒビを放置していると、気づいたら徐々に大きくなっていることに気づきます。
それでも乗り続けると強い衝撃がガラスに伝わったときにそのヒビ割れがガラス全体に波及して蜘蛛の巣状になります。
これが止まっている最中であれば良いのですが、走行中に起こると前が見えず、大惨事になることもあります。
また、そんな強い衝撃があるような走行をするのは高速道路であったりすることが多いので、危険度はより高くなっているのがわかりますね。
そういった背景もあって、軽自動車、普通自動車問わず、車検時にはガラスに傷がないことが車検をクリアする条件になっています。
検査官は車の機械的な検査も当然するのですが、フロントガラスのちょっとした変化にも敏感なので素人のあなたが気づくということはプロの検査官、またそれ以前にディーラーの営業や整備士が気づくと思いますが。
3.車のフロントガラスにヒビができる原因は?飛び石なの?
実際に車のフロントガラスのヒビの原因は何なのでしょうか。
圧倒的に多いのはやはり飛び石でしょう。
日本でいたずらでフロントガラスが割れるなんてこともありますが、飛び石が原因になることの方がよほど多くなっています。
もしあなたが高速道路を運転する機会が多いのであれば、トラックの後ろを運転するのは控えてください。
トラックのタイヤに埋まった小石を後ろの後続車に飛ばしているのです。
もちろん故意に飛ばしているわけではなく、泥除けなどをつけて後ろの車に配慮をしてくれているトラックも多いです。
しかし、それでもトラックから弾き出される小石がフロントガラスに当たってしまっていることが多いです。
ですので、追い越しをするときには並走する時間も短くする方が良いでしょう。
また、前にトラックがいないにも関わらず窓に何かが飛んできて音がすることもあります。
反対車線からの飛び石です。
片側二車線以上の場合は一番左の車線におり、追い越し時のみにいることで多少は防げるのではないでしょうか。
またそのほかによくある原因として、寒い季節にフロントガラスが凍結しているため、それを溶かそうと思って熱湯をかけた場合です。
これは不可抗力でもなんでもなく自業自得なのですが、微細な傷がガラスに元々入っており、凍ったガラスを急速に温めることでヒビ割れに繋がるというものです。
4.車のフロントガラスが割れた時の応急処置の方法は?
車のフロントガラスが実際に割れた場合にはどのようにすべきでしょうか。
大前提として、まずフロントガラスが割れた場合にはできる限り早く付き合いのある整備工場に入庫するようにしましょう。
先に説明した通り、小さなヒビ割れがいつ大きな蜘蛛の巣状の割れに大きくなるのかは誰にも予想ができません。
その整備工場の方との相談の上で決めていただきたいのですが、応急処置ができる場合もあります。
まずあまり割れている面積が多くないこと、またその割れ目が深くないことなど所定の条件があります。
その上でそこにリペアをすることでわれがそれ以上大きくなることを防ぐという手段が取れます。
できればプロのガラス屋さんにリペアしてもらうことをオススメしますが、実際にはカー用品店でもリペアキットというのは販売されています。
これは要するに傷口の穴に接着剤を詰め込んで固めてしまうというものです。
プロが行うとやはりどこに傷があったのかわからないくらいのレベルにしてくれますが、素人がやると綺麗さでは限界はあるでしょう。
ただ、この応急処置をしても車検で引っかかる可能性もありますし、いつまたヒビ割れが大きくなるかもわかりません。
その辺のリスクを理解した上であくまで応急処置ということを忘れないようにしてください。
5.車のフロントガラスが割れたりヒビが入ったときの修理代はいくら?保険は使える?
車のフロントガラスのヒビ割れを修理するには実際修理代はどのくらいでしょうか。
修理代の目安として軽自動車のトールタイプのような大きめのフロントガラスの交換をする場合、メーカー出荷時についているフロントガラスと同じものであれば10~15万円ほどになるでしょう。
ガラスのメーカーを拘らないようであれば外国製はだいぶ金額を抑えれるようですが、使用者からはギラギラして見えにくくなったなどの意見が出ることも多いです。
また、日本製のガラスで値段を抑えたい場合の裏技として、クールベール付きのフロントガラスはオススメです。
フロントガラスの上部が濃紺の色になっているものです。
濃紺になっていることで暑さに対する緩和にもなりますし、他の性能もメーカー出荷時のものとあまり変わらないというのがほとんどです。
だいたいそれだけで半額くらいに抑えることが可能です。
また、もし任意保険の車両保険に入っているようであれば飛び石のガラス交換をすることも可能です。
ただし、保険の等級がある程度高い場合には積極的に保険は使うべきですが、あまり高くない等級の際には保険料がどの程度影響が出るのかは確認しておきましょう。
つい昔は等級が変わらない事故扱いでしたが、現在は1等級下がってしまうので注意しましょう。